美少女フィギュアのパンツ批評・2009夏〜PVCだから恥ずかしくないもん〜
去年の今頃書いたものです。
1、はじめに
フィギュアのパンツ批評といえば、ニュースブログ「ASCII.jp」内の「アキバ裏」というコーナーは非常に質の高いパンツ批評で有名であった。フィギュアショップのケースに飾られた見本品のフィギュアのパンツを、周りの目も気にせず超ローアングルの不自然な体勢で撮影したり、また厳選したフィギュアを経費で購入し、その衣服を脱がす際のニッパーさばきの丁寧さといい、担当ライターのフィギュアのパンツへの情熱はすさまじいものであったと記憶している。ところが今ではライターが代わってしまい見る影もなくなってしまった。
本稿ではそんな前ライターの遺志を継ぐべく、微力ではあるが一人でも多くの人にパンツの素晴らしさを伝えていきたい。というわけで、我が家のフィギュアたちのパンツを紹介していく記事である。
2、フィギュアのパンツの魅力
私がフィギュア収集を始めたのは2007年の夏ごろだっただろうか。最初に買ったのは『ぱにぽにだっしゅ!』のトレーディングフィギュアであった。それから1年半以上が過ぎ、現在私の部屋には大小合わせて60体ほどのフィギュアが存在している。今回フィギュアのパンツ紹介ということで確認してみたが、パンツが確認できるものは20体ほどしかいなかった。全体の3分の1だけである。以外と少ないと感じられたと思う。フィギュアであっても現実と同様パンツは貴重なものなのだ。
パンツが貴重な理由は次のとおりである。つまり、パンツがあるということはその周りをスカートが覆っているということとほぼ同義である。これでは股間部分が隠れ、見えづらくなってしまうのだが、それではエロさが半減しフィギュアの売れ行きは悪くなってしまう。そのために、万人受けを狙いスク水、ブルマなど股間部分が見えやすいフィギュアが量産されてしまうという構造になっているのだ。要するにスク水、ブルマはいわば資本主義の波に飲み込まれた妥協の産物にすぎない。
その一方、万人受けを捨て去り、商業主義の介入をかたくなに拒んだパンツにはパンツ職人の熱い魂が宿っている。なぜ、パンツ職人は安易にスク水、ブルマに走らずパンツにこだわり続けるのか。それはひとえにパンツへの愛に他ならない。そんなパンツ職人のパンツへの愛情でもって創られたパンツは必然的にクォリティを増してゆくのである!たかがフィギュアのパンツとはいえ馬鹿にしてはいけない。そこにはパンツに込められた多くの思いと、そこに裏打ちされた高いクォリティがあるのだ。
3、紹介
前置きが長くなったが、ここからようやくフィギュアを紹介していく。本当は全20体のフィギュアのパンツすべてを事細かに紹介していきたいのだが、紙面の都合上、3体に限らせていただく。
① Max Factory 涼宮ハルヒの憂鬱 鶴屋さん (1/8スケールPVC塗装済み完成品)
鶴屋さんといえば緑のロングヘアーが特徴的であるが、毛束を細かく分け、散らすことで躍動感が生まれている。スカートやエプロンのはためきもあいまって、鶴屋さんの威勢のよさがよく表れているフィギュアである。
そんな元気な鶴屋さんのパンツであるが、私の所持しているフィギュアの中でも1,2を争うほど手が込んでいる。
リボンとレースがついておりとても凝ったつくりとなっている。またカラーなら一目でわかるのだが、パンツにはラメの入った塗料が使われている。テカテカと黄色く輝くパンツは素材がシルクであることを想像させる。パンツのしわ、クロッチ部分などの縫い目など、どこを見ても非常に高い水準である。
また、最初の写真を見てタイツを履いていると思った方は多いであろう。私もそう思って注文した。ところが届いてみたら実はニーソだったのだ。画期的な解釈であった。アニメを見たことがある人であれば、あれがタイツであることは疑いようもない。しかし、この原型師はあえてニーソだったのだと解釈した。それはなぜか。パンツのためである。タイツだと解釈すればただまっ黒に塗ればいいだけで制作に労力はまったくかからない。対してニーソならばはみ出た太ももの肉の処理など多くの手間がかかるが、しかし、パンツは作ることができる!手間を惜しまずニーソ&パンツを貫いた姿勢には本当に頭が下がる。
先ほど述べたように、高いクォリティの影にはパンツ職人の熱い情熱が隠されているのだ。
② 壽屋 ぱにぽにワンコイングランデフィギュアコレクション『レベッカ宮本(ベッキー&メソウサ)』
これはトレーディングフィギュアとして1個700円ぐらいで販売されている、比較的安いフィギュアであるが、とてもよいパンツをしている。
まず絶妙なスカートの長さであるが、実は最初の写真ですでにパンツが見えている。フィギュアと同じ目線であるにもかかわらず、パンツが見えるようで見えないようで、しかしよくよく見ると見えている。私は過去これほどのチラリズムを感じるものに出会ったことがない。
また、このベッキーというキャラクターは10歳という設定であるが、そのスラっと伸びる美しい幼女特有の足の根元からは、子供のものとは思えないきわどいパンツが見える。このギャップがたまらない!
さらに、パンツ自体のクォリティもトレーディングフィギュアにしては高い。この値段でしわ、縫い目をつけたフィギュアを知らない。安物といっても油断はならない。ちなみに色は白である。
③ トイズワークス メイドをねらえ! 中林校長の野望 餅田菜摘 暁暗の黒メイドバージョン (1/8スケールPVC塗装済み完成品)
必死でスカートを抑えている仕草がかわいらしいフィギュア。椿あす氏作画のメイド服のデザインは細かく再現されており、衣装のできも見どころである。
さて、肝心のパンツである。この少女が必死にスカートを抑えてパンツを見せまいとしているのだが、実は後ろに回るとパンツ丸見えである。がんばって隠しているのに結局パンツが見えちゃってる様子はなんともいえないかわいさである。
そして何よりもこのフィギュアの最大の目玉は台座である。実はこの台座は鏡になっているのだ!こうなるともう前方の視線からパンツを隠すことすら難しい。全国のミラーマン予備軍の願いを叶えた素晴らしい台座である。鏡の台座の採用によって、パンツを見られることへの恥じらいと、パンツを隠そうとするが結局隠せない少女の無力さとが絶妙なハーモニーを奏でており、ここからさまざまなストーリーを想像させられる。
また、ガーターベルトのつけ方がきちんとしている点でも評価は高い。これ以前のフィギュアではパンツの上からガーターベルトをつけるという間違ったつけ方のものが大半を占めていた。現実でこのようにつけるとパンツが下せなくなりトイレの時に不便なのだ。フィギュア原型師のほとんどが男性であるためこのような間違いは仕方のないことなのかもしれないが、やはり女性の下着に対しての知識と熱意に欠けていたと言わざるを得ない。一方、この原型師はきちんとフィギュアにガーターベルトの上からパンツを穿かせた。知識も熱意も申し分ないパンツ職人だと言える。
パンツそのものもシンプルなタイプでありながら、体のねじれを考慮に入れたしわといい丁寧な仕事が光っている。色は白だ。
4、おわりに
フィギュアのパンツの世界、いかがだっただろうか。少しでも多くパンツの魅力を伝えようと書いてきたが、私としてはまだまだという感じがする。パンツ界はそれほど奥が深いのだ。今後のフィギュアのパンツ批評界の発展を願いつつこの辺りで筆を置きたいと思う。